みすず書房は人文書を中心にさまざまな分野の本を扱う出版社で、「専門書」「難しい」というイメージを持つ方もいますが、実は「専門分野のことを一般読者にわかりやすく伝えてくれる知の扉」のような本がとても多いです。「知らないことの面白さを知る」ことに大きな楽しみを感じる私としては、読書の喜びを最大級に与えてくれる版元です。

それと、とにかく本の装丁が美しいです。流行と関係ない、何年経っても色褪せない本質的な美しさです。中身はもちろんモノとしても魅力的なのです。デザイン自体は多種多様なのに一見して「みすずの本だ」とわかる共通のトーンがあるのも興味深いですね。

そんなみすず書房の本を集めたみすず書房フェアを開催中です。全国の独立書店が連携する「独立書店ネットワーク」が発足したのですが、そのなかで全国17の書店が参加し、それぞれに「わたしのみすず書房」と題して1冊ずつ紹介しています(私が選んだ『アラン島』はフェア期間中に版元品切れになってしまいました!)。皆さんの推薦コメントを読んでいると、普段なら手に取らないような本にもむくむくと興味が湧いてきます、それがこういうフェアの醍醐味ですね。全く知らないことに興味を持つチャンスってほとんどありませんから。

みすず書房の本をどれでも買うと、冊子「わたしのみすず書房」が付きます(冊子単体で300円で販売もしています)。夏葉社の島田純一郎さん(みすず書房からエッセイ『長い読書』を出しています)らのコラムも掲載され、読み応えがあり、保存版です。ぜひゲットしてください。1店舗あたり60冊くらいしかありません。

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また、毎年恒例で出ている「みすず美術カレンダー」の2026年版も入荷しています。今年のテーマは「線路のうえで」。ポストカードサイズ6枚に2ヶ月が印刷されていてケース付き。そのまま卓上カレンダーとして使うもよし、取り出して貼るも良し。660円と価格も手頃なのでデスク周り用などサブ的に買っておいてもいいですよね。

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みすず書房フェアは10月末までの予定でしたが好評なので少しだけ延長の予定です。各書店が推す本以外にも、普段より幅を広げてみすずの本をたくさん並べ、非常に充実したフェアとなっています。ぜひお越しください。